南米なんべいペルーで初はじめて「死しぬ権利けんり」を認みとめられた女性じょせいが、このほど安楽死あんらくしで最期さいごを迎むかえた。遺族いぞくが２２日にちに声明せいめいを出だした。

遺族いぞくは声明せいめいで、アナ・エストラーダさん（４７）が法廷ほうていでの長ながい闘たたかいの末まつに「自分自身じぶんじしんの意思いしで、自分じぶんの考かんがえる尊厳そんげんのあり方かたに合あわせ、最期さいごまで完全かんぜんな主体性しゅたいせいを貫つらぬいて」死しを遂とげたと述のべた。

エストラーダさんは心理学しんりがくの専門家せんもんか。慢性まんせいの難病なんびょう「多発性筋炎たはつせいきんえん」が進行しんこうし、話はなすこともベッドから起おき上あがることもできなくなっていた。人工呼吸器じんこうこきゅうきを装着そうちゃくし、２４時間介護じかんかいごが必要ひつような状態じょうたいだった。

ペルーでは安楽死あんらくしが合法化ごうほうかされていないが、エストラーダさんは死しぬ権利けんりを求もとめて訴うったえを起おこした。裁判所さいばんしょは約やく４年後ねんごの２０２１年ねん２月がつ、保健当局ほけんとうきょくに対たいして、安楽死あんらくしを選えらぶというエストラーダさんの決断けつだんを尊重そんちょうするよう命めいじた。同国どうこくの司法制度しほうせいどで安楽死あんらくしが認みとめられたのは初はじめてだった。

保健当局ほけんとうきょくは上訴じょうそせず、最高裁判所さいこうさいばんしょが２２年ねん７月がつにこの判断はんだんを支持しじしていた。エストラーダさんの弁護士べんごしは当時とうじ、「歴史的れきしてきな判断はんだん」としてこれを歓迎かんげいし、「本人ほんにんも大変喜たいへんよろこんでいる」と語かたった。

エストラーダさんは２１年ねん、ＣＮＮスペイン語版ごばんとのインタビューで「いつどうやって、どこで死しぬかを選えらぶ権利けんり」を行使こうししたいと話はなしていた。

遺族いぞくは声明せいめいを通とおし、「アナの残のこしたものは多おおくの人ひとびと々の心こころと、この国くにの歴史れきしの中なかに生いき続つづけるだろう」と述のべた。